映画「地震列島」(1980)感想
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それぞれの思いが交錯するヒューマンドラマ
どうも、サクダです。
夕べは島根県で大きな地震がありましたね。
あまり地震が起きない場所のイメージでしたのでびっくりしたのと、改めて日本で地震が起きない安全な場所なんてないと思いました。
たまたまなのですが、この映画をレンタルしていましたので観てみました。
ネタバレを含むので、これから観る予定の方はご注意下さい。
中盤まで進行する悲しい人間ドラマ
地震がテーマの作品ですので、観る前の僕のイメージでは「災害が起きて生き延びるために逃げ惑う群衆」みたいな雰囲気がありました。
しかし、実際には中盤までは少し悲しい人間ドラマが展開されます。
勝野洋さん演じる主人公は松尾嘉代さん演じる妻・裕子との折り合いが悪くなり子供とも離れることを決めた地球物理学者・川津です。
その彼のことを想っているのが美しい多岐川裕美さん演じる地震研究所員・芦田です。
そして、そんな彼女への想いをしたためるのが若き日の永島敏行さんが好演するルポライター・橋詰です。
この4人を取り巻く複雑な人間模様が中盤まで進行される重い展開が続くので、心が痛くなりました。
後半に入ると阿鼻叫喚の地震シーンへ
さて、切ない場面が続く中で震度3の地震が起きるシーンを皮切りにパニック映画の真骨頂とも言える特撮を含めた大地震のシーンへとシフトします。
マグニチュード7.9の地震(恐らく震度7)が起きるのですが、それによって街はめちゃくちゃになります。
1981年に現在の耐震基準への見直しが行われたのですが、映画の公開時はその前年ということもあって基準を満たす建物が少ないと想定すれば映像としては大袈裟にも思えますがあながち崩壊具合は間違ってないとも言えます。
石油コンビナートが爆発して有毒ガスが発生した場面を観て現実では3.11が起きて福島県で原発事故により大事になったのを思い出しました。
皮肉にも大地震で人間が犠牲になるものは津波を除けば建物やガラスといった人間によって作られたものだということも改めて実感しました。
結末もまた…
川津との離婚話をまとめるために裕子は半ば愛人のような関係になっていた芦田と会ったうえで決めたいという流れの中で2人が地下鉄に乗っている時に起こった大地震。
川津は芦田にプレゼントしてもらったライターを使うことで自分の命と引き換えに地下で苦しむ人々を地上に逃げるきっかけを作り出し、救いました。
皮肉にも裕子との絆が地震によって復活しつつある中での決断でした。
そんな彼らと話し合いをするため、自宅で待っていて被災した芦田は絶体絶命の状況から会いに来ていた橋詰によって助け出され、九死に一生を得ます。
いやぁ、なんと重い結末でしょうか…そういう良い意味で濃いヒューマンドラマが繰り広げられるとは思ってませんでした。
この映画から感じたのは昭和後期ながらも、川津を始めとするの古き良き日本の大和魂を思わせる男気です。
僕ら平成生まれの人間ってどこか冷めてるというか物事に本気で打ち込むと「何熱くなってんだよ」みたいなしょうもない冷やかしをする人間がいる風潮ですから、昭和の日本人の熱さを知らない人に見て欲しいです。
あと、この作品の政治家は反省してください(笑)
川津の話をあまり相手にせずに大震災になってから後悔してどうするんだよと。
現実の政治家さんたちにはこうはなって欲しくないですね(笑)
と、こんな感じで色々と考えさせられる映画でしたので色んな人に観て頂きたいなと思います。
それでは、記事を読んで頂きありがとうございました!