映画「ひろしま」(1953)の感想
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戦後の生々しさが残る反戦映画です
どうも、サクダです。今回は1953年の映画「ひろしま」を観た感想を書きます。
戦後10年以内の反戦映画
この映画は終戦から8年後に制作されています。
1955年のベルリン国際映画祭長編映画賞を受賞しています。上映時間は104分、画質は当時の主流であるモノクロの映像が作品とマッチしています。
おおまかなあらすじは広島県を舞台とし、戦後のシーンから始まり回想の形で1945年8月6日の広島への原爆投下後の被曝者達の阿鼻叫喚・地獄絵図がこれでもかと展開されます。
日教組によって制作されているので、学生に戦争の悲惨さを教えるために撮られた作品だとも言えます。
想像を絶するリアリティ
僕は戦争モノの作品を観るのは好きです。
しかし今まで観ていた作品は近代のものですので完成度は良いのですがどうしても「垢抜けた」映像が多く、仕方のないことですが戦時中さながらのリアリティさが欠けていたことも事実でした。
そんな中でふと目に留まったのがこの作品。
先述した原爆投下後の場面は特に胸に刺さるような衝撃的な場面の連続で観ている途中で少し気分が悪くなりそうになるほど、実際にフィルムで記録された映像なのかなと疑うほどの被曝者の描写がありました。
息子を探し彷徨う男、瓦礫の下敷きになりもがき苦しむ者、気が狂って「天皇陛下万歳!」と叫ぶ少年など強烈なシーンが目に飛び込んできました。
他にも原爆孤児(原爆により両親などの家族を失い、身寄りのない子供達)を扱った場面もあり、当時の戦争を知る人々が多く制作に関わっているのもわかります。
日本に原爆が落ちたことを改めて考えるきっかけに
第二次世界大戦中の日本は「鬼畜米英」と敵対国を罵り(日本に限った話ではありませんが)、多くの兵士を処刑しました。
それに対しアメリカは戦争を終結させるため広島・長崎への原爆投下に至りました。
世界で唯一の被爆国になったわけです。
そこから学べることは、今後そういった戦争は起こしてはいけないことです。
簡単に言えば国同士の殺し合いですから罪のない人間が意味もなく殺害されます。
現在でも世界中を見渡すと様々な場所で戦争は続いていますが、それを当時は全世界で国を挙げて戦っていたというのは恐ろしい話です。
原爆によって亡くなった人の数は正確にはわかっていませんが30万人以上にものぼるそうです。
名誉の死という言葉では到底片付けられない、完全なる戦争の犠牲者です。
現代の人にこそ観てもらいたい
この映画を観るのは目を背けたくなるシーンが多いので少し勇気がいるのも事実です。
けれども、悲惨な目にあったことを「原爆が落とされました」の一言で終わらせることなくこの作品を観て日本にとって戦争をすることが必要だったのか、平和について深く考えさせられました。
DVDが発売されていますので興味のある方は是非鑑賞してみてください。
それでは、記事を読んで頂きありがとうございました。